
「シェレフェ!」(乾杯)
まずはストレートで。
おおおお〜。
薬草っぽい風味に、ほのかな甘味もある。かなり強い酒であることはわかるが、舌を刺すような刺激は感じない。深遠でどこかファンタジックな味がする。魔法使いが飲んでそうというか。アラジンに出てくる敵キャラ、ジャファーとかも飲んでいそうだ。
しかしどんな国の酒にもすぐに慣れることができるのは、俺の数少ない美点である。うまい!

自家製メゼの、フムスとの相性も◎

バゲットやクラッカーに乗せてもうまいし、野菜をディップしてもいい。

そしてなんと、ラクは水を混ぜると、色が変わるのだ!無色透明から、白濁した液体へ。
ラクパーティの醍醐味はこれだ。どういう原理かは知らないが、知らないままのほうが面白いと思う。いいじゃん、ランプの魔人の魔法ということにしておけば。
水や炭酸で薄めるとスイスイ飲みやすくなるが、度数の高い酒であることには変わりないので気をつけて。チェイサーを忘れずにな

ケバブ、ヨーグルトソース。
爽やかな酸味とまろやかなコク。大正解。

ホットソース。
辛いものが好きな人は、何か足してもっと辛くしてもいい。
これもラクの独特な香りと、不思議とよく合う。今日も飯がうまい。酒が進む。

神秘的でエキゾチックな中東の世界観をそのまま体現したような酒、ラクで魔法のような夜は更けていく。
ああ、もう何杯目のラクだろうか。ここは中東の市場の片隅にある、小さなシェレフェ。
隣では頭に布を巻いた石油王が、シーシャを吸っている。ヘソ出しベリーダンサー達が俺を手招いている。俺は最近少し弛みかけている腹を出して一緒に腰をくねらせる。煙とともに現れたランプの魔人が、グラスの中の透明なラクを魔法で次々白く変えていく。突然扉を蹴破って雪崩れ込んできた40人の盗賊たちとも、俺はラクを酌み交わす。ラクを飲めばみんなハッピーだ。なあトルコ語でハッピーはなんていうんだ?チークを踊っているアラジンとジャスミンにそう尋ねる。彼らは答える「俺たちトルコ人じゃないからわからんわ」と。確かに、中東とかアラブといっても、広いからなあ。

朝起きたら誰もいなかった。
記憶がいまいち鮮明ではないが、不思議なことに食卓の上は片付いていたし、皿やコップも食洗機にかけられていた。帰る時にランプの魔人が魔法で片してくれたのだと思うことにする。だったらついでに、二日酔いも治していってくれればいいのに。
そんなことを思いながら、冷蔵庫に仕舞われていた宴の残り物で、遅めのブランチを摂る休日も悪くない。次はいつみんなとシェレフェできるかな。
(※最後の方はすべて酔っ払い筆者のイメージです。変な成分が入っているとかではありません。筆者が飲み散らかしたテーブルを片付けたのはランプの魔人ではなく一緒に飲んでいた編集担当です)









