【新宿】すべてを教えてくれた街の『どん底』で飲んできた話

東京・新宿。
人生における数々の「最悪」の瞬間、俺はいつもこの街にいた気がする。

人生最悪の失恋も、人生最悪の二日酔いも、人生最悪の貧しさも、人生最悪の仕事も、ぜんぶこの新宿という吹き溜まりのような街で経験してきた。

俺にとって新宿とは最悪の街でしかないはずなのに、どうして今もこうして夜毎、千鳥足でこの街を彷徨っているのだろうか?

今年の新年会会場は、新宿三丁目、蔦が絡まる洋風酒場『どん底』。

俺にとって、これほど新宿という街に相応しい店名もないだろう。

すでに人生の半分を東京で過ごしてきた、俺の抱える地獄を象徴してくれているようだ。なんと清々しい名前。

地上にあるはずなのに、まるで地下に潜ったような店内は、俺のような人間には居心地がいい。

剥き出しの梁や柱。歴史を感じる、重厚な空気。

雑多でレトロ、しかし確かな秩序があって、店の治安は良好。

三島由紀夫をはじめ、文化人が数多く通ったという。ちなみに三島なら『禁色』が俺は1番好き。

メニュー(スライドで次ページ)

フードは洋食メイン。
「写真が載ってるやつがおすすめです!」とのこと。

生、ハーフ&ハーフ。
照明を透過して、とてもこの店の雰囲気に似合う色になっている。

お通し。
こいつを齧りながら、黒いビールのジョッキを傾ける俺は、結構サマになっている気がする。ひゅ〜、かっこいい。

無条件に俺をエモくしてくれるどん底が、大好きだ。

どん底カクテル。通称・ドンカク。
焼酎ベース、柑橘系の炭酸カクテル。

これを飲むと、意中の人と結ばれるという神話があるらしい。まじか。飲んどこ!

野菜スティック
味噌は黒系。マヨとダブルで付けて食べるのも美味しい。

チリコンカンには、トルティーヤ付き。

個人的には、この店に1番合うカクテルはカンパリソーダではないかと思っている。

甘くてほろ苦い、そして立ち上る気泡が儚く消えていくカンパリソーダは、俺にとっての新宿そのものだ。そして、この上なく美しい酒でもある。

サーモンのマリネ
カンパリと魚介類の組み合わせが、俺は大好きだ。

カサゴの唐揚げ
衣はサクッと軽く、身はフワフワ。素晴らしい揚げ具合。

絶対頼んで欲しい、厚切りチャーシュー

柔らかくてジューシー。お店の照明を反射して、照りが輝いているぜ。

新年だし(?)ちゅうことで、パーっとみんなでワインやスパークリングのボトルを開ける。

これを読んでくださっているみなさんも、今年もよろしくお願いします!

こちらも名物・ミックスピザ

薄めの生地に、チーズがたっぷり。
ワイワイ騒ぎながら、みんなで分け合う。ご機嫌な味がするぜ。

冒頭ではニヒルぶって新宿を「最悪な街」などと呼んだし、まあ実際そうなのだけれど、この街だけが持つクールさが心地いいのもまた事実だ。

そして、最悪なことがたくさんあった、何度も「どん底」に落とされた街ではあるけれど、俺にはこうしてうまいピザやチャーシューを分け合いながら酒を酌み交わす「最高」の友が大勢いる。そんなかけがえのない存在を与えてくれたのもまた新宿なのだと、新宿の「どん底」で酩酊しながら思う夜なのであった。人生のどん底で出会ったからこそ、愛おしい物もある。

最悪と最高。すべてを教えてくれた街。これからも俺は、ここで生きていくだろう。

店舗情報

店名どん底
住所東京都新宿区新宿3-10-2
アクセス新宿三丁目駅c5出口から徒歩2分
新宿駅東口から徒歩7分
営業時間月〜金 17:00〜23:30
土日 11:30〜23:30
SNS・サイトInstagram
食べログ

※データは全て取材時のものです

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