またひとつ年を取ってしまった。36歳。非常にナーバスになっている。
35歳はいい1年だったと言えるような言えないような。知人の結婚式に一度も呼ばれなかったので、ご祝儀貧乏にならずいい1年だったと言えなくもない。36、俺以外はみんな片付いた年齢であるということだろうか。

そんなナーバスな誕生日にやってきたのは、小田原にある干物屋である。
『山安ひもの HaRuNe小田原店』
山安は150年の歴史を持つ小田原の老舗干物店。年齢にナーバスになってる時に「干物」というワードには色々とくるものがあるな。でも安くて美味いんだ、ここの干物。

山安ひものが入っているHaRuNe(ハルネ)は小田原駅直結の地下街。この日は抽選会かなんかやっていて、カランカランと景気のいい別の音が鳴り響いていた。
小田原駅のでっかい魚の絵、かわいいよね。

同じフロアにある『朝ドレファ〜ミ♪』の野菜も安くて新鮮。珍しいも野菜も並ぶし、地元のお弁当やお惣菜なんかも質が高い。

この日の収穫。アジ、イワシ、キンメ、ホッケ、ハラス、サバ、生しらす塩辛。
サバはサービスでつけてもらった。わーい、誕生日プレゼント、サバだー。

アジはお得な「キズパック」
規格外だったり、部分的な欠けた商品をお得なお値段で買えるので超おすすめ。

サバ以外にもサプライズが。なんと、この店でもらった抽選券2枚で抽選会に参加してみたところ、500円分の商品券が連続2枚当たったのだ。合計1000円分。
生しらす塩辛とハラスは、その券で追加購入したもの。抽選会場のお姉さんや、山安ひもののお兄さんにも「(当たりが出て)おめでとうございます!」と言ってもらえて、意図せず誕生日に色んな人から祝福を受けることとなった。ありがとうございます。

37年間、抽選というものに当たった記憶はほとんどない。死ぬほど出てきた結婚式のビンゴでも、何も当たらなかった。いや、一度カレー味のラムネが当たったか。それ以外は「余興で女装して歌とダンス」みたいな恥だけをかいてきた。
結婚式のビンゴで1等を勝ち取るような奴は、大体自分も早々に結婚している気がする。そして俺のように孤独な晩酌のためではなく、愛する家族とのハートフルな朝食のために干物を焼いている。
まあいい。なんにせよ、誕生日にこのようなラッキーに巡り会えたのは嬉しい限り。36歳という年が、いいものになる予兆に違いない。まさか!今年は俺がケーキカットの番…!?

でも俺はウェディングケーキよりも、干物が好き。
ここの干物でいちばんのお気に入りは、イワシの丸干し。
まるっと太ったイワシは、焼くと超ふっくら。

手づかみでアユのように食べるのがおすすめ。
たっぷり詰まった内臓も、ほろ苦で酒が進む。

キンメダイの干物。でかい。1尾あるだけで食卓がゴージャスに。誕生日には相応しい。

ホッケ、このサイズだとちょっとずつ食べられて、酒飲みや独りもんには嬉しいね。

生しらす塩辛は、塩辛という割にはしょっぱすぎなくて食べやすい。生しらす特有のトロリとした食感や、ほんのりした苦味も感じる。かなり生感は強いが、臭みなし。
そのまま舐めてもアテになるし、当然白米にも◎
アレンジも効きそうだ。この日は栃尾揚げにチーズを乗せて焼いたものに載せて。オリーブオイルやニンニクとの相性も良さそうなので、パスタに使ってもうまそう。その時はもちろんワインで!

36歳初日、意図せずラッキーが立て続けに起こってしまった。
きっといい1年になるに違いないとはしゃぎながら酒場でこのエピソードを話すと、友人たちの10人中10人が「1年分の運を使い果たしただけでは?」と抜かす。全員まとめて天日干しにしてやるからそこに直れ。俺の結婚式で、ケーキの代わりにカットしてやる。

編集長もイワシをよだれダラダラにして狙っていた。さすが、美味いものがちゃんとわかってるんだな。あげないけど。
店舗情報
※データは全て取材時のものです











