酒の味など実に主観的なもので、その時の気分やシチュエーション、思い出補正などでいくらでも美味くなるし、反対に不味くもなる。
貧しいながらも恋をしている2人が分け合う安発泡酒の味が、金持ちの飲むロマネコンティに劣るなど、一体誰に言い切れようか。

酒を最も美味くするのは極上のつまみでもなければ、高級な酒器でもない。その場に存在する物語ではないかと俺は常々思っている。
その物語は別にフィクションでも、ノンフィクションでも構わない。自分の手持ちの物語でも、他者によって語られた物語でも構わない。
自分が手にした1杯の酒。それにまつわる物語という「アテ」は、その酒を最も輝かせ、芳醇なものへと変える。
人間の舌や鼻など、所詮はその程度のものだという話でもある。

沖縄県南大東村で作られるラム酒『COR COR(コルコル)』は、原田マハの『風のマジム』という小説の題材になった酒だ。(写真はコルコル25)
製造元の株式会社グレイスラム、金城祐子社長をモデルにした主人公「まじむ」
沖縄に住む彼女が、社内ベンチャー企画で地元沖縄のサトウキビを使ったラム酒を開発・販売するまでの悪戦苦闘を描いた、島の自然と人々への愛に溢れた美しい物語だ。

この『コルコル25』は同社の他の商品や、一般的なラム酒よりも度数が少なめの25度。
通常の40度ある『コルコル』『アグリコール』もあるが、俺はこの25がスッキリ飲めて好きだ。
食前食後にまったり味わいたい、ふたつも非常に美味。でもライトな『25』は、食事にも合わせやすい。お値段も手頃。
爽やかな香りが漂うこのボトルを開けた夜は、どうしたって素人ながらも沖縄料理を作りたくなる。

立ち上る芳醇な香り。夏の果実、乱れ咲く南国の花々、さとうきびの森。
唇に、コップをそうっと押し付ける。恋しい人にくちづけするように。(本文より)
こんな美しい一文を読んだらもう、そのまま情景が目に浮かんでしまう。
恋しい人にくちづけするように、コップを唇に押し付けてしまう。
だがそんな原田マハの天才的な文章力を差し引いたとしても、この酒の透明さ、清らかさ、そして他のラム酒にはない日本的な華やかさは、確かなものである。
ふたつの相乗効果によって、グラスを軽く揺らせばそこには、遠く沖縄を吹き渡る一陣の風がつむじを描いているのが見える。沖縄に行ったこともない俺にも、確かにそれが見えるのだ。こんなにロマンチックなことはない。
だからこそ、コルコルを飲む時には、この原田マハ『風のマジム』を手に取ってほしい。最高のアテとして。
追記
末尾に載せる商品情報をまとめていた時に知ったのだが、なんと20年前に出版されたこの物語、2025年夏に映画化が決定したらしい。
主演は連続ドラマ小説『虎に翼』に出演していた伊藤沙莉さんとのこと。
別に狙って書いたわけじゃないからな!!偶然だぞ!!
とりあえずおめでとうございます!!
商品情報
| 商品名 | COR COR(コルコル)25 |
| アルコール度数 | 25% |
| 製造者 | 株式会社グレイス・ラム |
| SNS・サイト | 公式HP X 映画情報(映画.com) |
書籍情報
※データは全て取材時のものです











