下ネタレベルが中学生で止まってるので「珍(ちん)」というワードを見ただけで笑ってしまう、というくだらない記事を以前も書いたような気がするが、今回もタイトルを書きながら笑ってしまった。
でも今回はそんな中学生には到底理解できない大人の味「珍味」についての記事。最近俺が食べて美味かった魚介系珍味を6つご紹介するちん。
星エイの肝刺し

エイというと平べったくて、なんだか胡乱な表情で海の中をぼんやり漂っている「無気力そうな魚」というイメージだった。まさかあのペシャンコの体に、こんな脂肪肝を隠していたとは。
凍らせた星エイのキモは、爽やかなバターのような口どけと濃厚な味わい。でも脂っぽさみたいなものは不思議なほどなく、これは間違いなく海のもの、という味。ゴマ油と塩でレバ刺しのようにしていただく。
口の中で少しずつ溶け出していくキモの旨みをちびちび感じながら、きゅっと酒を飲む。「これチャーハンにしたらうまいのでは」などと恐れ多いことを思う。
俺も細身なので、周囲からは「肝臓の数値や尿酸値が高いのは意外」とよく言われるから、最近エイには奇妙なシンパシーを感じるようになった。
カメノテ

もちろん、カメさんの手ではない。そう見えるだけなので安心(?)してほしい。
岸壁などにびっしり密集している、フジツボなんかの遠いお仲間らしい。ビジュアル的に苦手な人はいるかもしれない。うまいけどね。

軽く塩茹でして、カメさんでいう手ではなく腕のあたりの皮を剥いて中身をちゅっと食べる。
小さいが凝縮された磯の香りがして、酒のつまみにはたまらない。
エビとかカニに近い、甲殻類だそうなのでアレルギーがある方は注意。
大変良いダシが出るということで、ラーメンのスープに使っているお店を見たことがある。実は当サイトでも一度記事にしている『半ざわ』さんだ。
限定メニューのようなのでSNSをチェックしつつ、いつか食べたいと狙っている。
マンボウの小腸

ストレスで死亡、びっくりして死亡、ジャンプして死亡、太陽が眩しくて死亡、仲間が死んだのを見てショックで死亡…などなど。
嘘か真かはわからないけれど、ちょっとデリケートすぎて生きづらそうなマンボウさん。小腸が刺身でたべられるらしい。

俺もなんだが、神経がデリケートで繊細な感受性を持った人はお腹もデリケートなことが多く、そんなマンボウさんの腸なんてゆるゆる・よわよわで食えたもんじゃないんじゃないの?と思ったら想像以上にしっかりとした歯応え。
コリコリとしている歯触りは肉のホルモンに通じるが、みずみずしさと爽やかな甘みがある。コリコリ、というか、ギョリギョリって感じ。なんか、わかる?
コバンザメ

つよつよなサメさんにくっついて、優雅に海を渡るコバンザメ。
日本では虎の威を借る狐的な、ジャイアンの後ろのスネ夫みたいな、そういうちょっとマイナスなイメージで名前が使われることが多いね。
ちなみに全然サメではなくて、スズキ目コバンザメ科に分類。美しい見た目はまさしく白身魚のそれだ。

食べてみると舌の上でじんわり脂と旨みを感じる。意外なほどうまい。しっかりとした食べ応え。刺身以外の料理にも使いやすそうだ。
ちなみに頭についてる吸盤はサメだけではなく、海の人気者・海亀さんに張り付くこともできるようだ。そういう生き方、俺は嫌いじゃないよ。
フジツボ

本当に食えんのか????と3回くらい聞いたが、加熱したら食えた。

味わいとしてはカメノテに近い。爪楊枝をブッ刺して中身を引き摺り出すのだが、これが結構難しい。手で引っ張り出せるという記事もあったが。
カメノテ同様、フジツボも甲殻類なんだとか。エビとかカニのように反応が出るのかはわからないが、アレルギーがある人は避けたほうがいいだろう。
そこらへんに生息しているやつは中に虫とかがいるかもしれないし鮮度も心配なので、お店で見かけた時に買うのがベター。それか信頼できる居酒屋で。
マナガツオ

マナガツオという名前だがカツオではない。名前の由来は諸説あるので割愛するが、スズキ目とのこと。魚のナントカ目とか、ナントカ科とか、難しくてよくわからん。
高級車のようなソリッドテクスチャでシルバーな外観が美しい。そう、珍味というよりは高級魚。

白身は焼くと独特の甘みが出て、ホクホクになる。皮も柔らかくてうまい。どこか上品さというか、高貴さがある。
刺身はそのまま食べてもいいが、バーナーで少し焼き目をつけて食べると美味。加熱したほうが美味しいタイプかもしれない。揚げ物なんかにしてもうまいそうだ。
関東では希少だし値段も高かったのでしょっちゅうは食べれないが、みんなで分けて食べるには十分なサイズ。
遼さんの珍味探求は続くのだ

「高貴」とか「ギョリギョリ」とか「脂肪肝」とかわかりにくい表現をしたが、仕方がない。それが珍味。日本語で表現し切ることは難しいからこその珍味。決して俺の語彙力が低いからではない。俺は悪くない。曲がりなりにもプロのライター、下ネタレベルは中学生でも語彙力は一応プロのはずである。
珍味の表現はいつだってなんというかそう、詩的なのだ。ワインだってほら「濡れた子犬の匂い」とか、全く意味わかなんない表現するだろ。あれと同じだ。
珍味に限らずグルメは講釈を頭で理解するのではなく、その舌で感じて楽しむもの。考えるのではなく感じる。勉強熱心で生真面目すぎる日本人が失いつつある野生の本能を取り戻すためにも、魚屋や飲み屋で珍しい珍味を見つけた際は、ぜひ勇気を持ってオーダーしてほしい。
そんでもって、そんな珍味に合わせる酒を考えるのも、また喜びのひとつである。珍味に正解はないし、酒にも正解はない。ビールでも日本酒でもレモンサワーでもノンアルでも、自分だけの感覚で楽しめばよいのである。
撮影協力 豊島区西巣鴨『香鱗水産』(いつもありがとう)











