【ワイン】山梨市牧丘町の自然派スパークリング『ふいちもう』は潮風によく合う。

今年の夏もよく遊び、よく飲んだ。

俺は都内在住だが仕事はどこでもできるので、MacBook片手に夏の間は逗子や葉山の海にばかり行っていた。海風と冷えた酒で冷やさないと東京は暑すぎて、俺の少ない脳みそや、旧式のおいぼれMacは沸騰・爆発寸前だったのだ。

BUD、モヒート、テキハイ、カンパリソーダ、コスモポリタン、カチ割り白ワイン(仁支川峰子スタイル)、夏バテに効きそうな薬膳種まで、海を眺めながら25メートルプール1杯分くらい飲んだが、中でも1番印象に残った酒がある。

国産スパークリングワイン『ふいちもう』の赤である。

山梨県山梨市牧丘町の巨峰とベリーAで作られる山梨ワイン。

薄濁り、というのだろうかこの独特の赤は。ちょうど死んだ祖母が使っていた膝掛けに似た、柔らかくて上品で温かみのある色だ。

素人がワインのなんたるか、というのを語るのは難しいし知識もないのでライトな感想にとどめるけれど、微発泡でスッキリしつつどこか優しい味わいのこの酒は、よく冷やしていただく。

逗子海岸や小坪マリーナを吹き渡る潮風、そして切なげなカモメの鳴き声に良く合っていて、とても好きな味わいだった。山梨という海のない土地で作られた酒を、潮風に合うなんて表現すること自体が的外れなのかもしれないが。

夏の日差しが透過して、伸びる影が赤く光る姿も美しくて好きだった。2024年の夏と言われれば、俺は生涯この酒を思い出す気がする。

鹿さんがキュートなラベルは、花札の猪鹿蝶をイメージしていると思われる。

「ふいちもう」とは甲州弁で「吹き出しちゃう」の意。

減農薬・酸化防止剤無添加の自然派ワインだ。調子に乗って飲みすぎても、二日酔いや悪酔いをしないのが不思議。

暑すぎて沸騰寸前だった俺の脳みそとMacを、吹き渡る潮風と共に程よく冷ましてくれた自然派甲州ワイン。

俺は夏になると暑さで頭がやられて、大抵くだらない男につかまって色恋沙汰で騒ぎを起こすのだが、今年は逗子海岸とよく冷えた『ふいちもう』のおかげで何とか正気を保ちつつ、事件も起きなかった。過ぎゆく夏を感じる余裕すらあった。仕事も捗った。まるで葉山灯台の光が船を導くように、俺をまともな世界に引っ張り戻してくれていた酒。

季節は流れてもう秋。海風はあっという間に冷たくなるが、そんな季節にはまた違う味わいを見せてくれそうだ。灯台の光は、秋冬も綺麗だもの。

頂き物なので、詳しい入手経路は現在不明。ネットで調べたけどよくわからなかった。飲みたいのだが。

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