
珍味類も、季節毎に充実。
大人気メニュー、自家製のイカ肝の醤油漬け。この店で日本酒を飲むご常連は大体頼む逸品。
凝縮した海そのものを舐めているような、濃厚な味わい。
これでパスタを作ったら絶対美味いんじゃなかろうかと、邪なことをよく考えている。

星エイのキモ刺し。
こちらも濃厚な、バターのような味わい。脂っこさやしつこさはない。
半分凍った状態で出てくるが、それが少しずつ溶けていくのも面白い。ごま油と塩で。

亀の手酒蒸し。
若い子などが見てギョッとしていることがあり非常に愉快なのだが、もちろん本物の亀さんの手ではない。
よく岸壁なんかに張り付いている、なんていうか、イソギンチャク的な生き物である。たぶん。
亀さんの手に見える先っぽは食べられなくて、その下の茶色い部分の皮を剥いて、中身を食べる。
甲殻類に似た風味の味わいで、酒のアテにちびちびやるのにいい。
ビジュの迫力から、なんとなく場が盛り上がるので、パーティメニューとも言える。

何を隠そう俺は痛風なのだが、同じく尿酸値高めのご常連たちと「ここは薬を飲みながら通う価値がある」とよく話す。

もちろん、焼き物、煮付け、揚げ物等も。魚介類をあらゆる食べ方で堪能できる。
干物も自家製だ。

先述した通り、ご飯に合うメニューもたくさんあるので、下戸の方やお子さん連れも多い。
俺は普段アテと酒だけで帰るのだが、サクラマス腹身の煮付け…このメニューだけは白米をかっ込まずにはいられなかった。

酒は圧倒的に日本酒が人気。
セレクトは酒好きの常連客たちによって行われており、行くたびに違う、珍しい全国の酒が冷えている。
「今日は何がありますかー?」のやり取りが、日本酒好きにはたまらないね。

日本酒以外の酒は豊富とは言えないが、ハイボールや焼酎、ビールなどはひと通り揃っている。
甘いものがいい人は、梅酒やレモンサワーをどうぞ。

コンパクトな店内では常連さんも一見さんも、珍しい魚の話ですぐに打ち解けてしまう。
話し上手な林さんの存在もあって、居心地のいい空間だ。ついつい予定よりも長っちりになってしまう、と話すお客さんはとても多い。
みんなで若者の人生相談に乗ったり、仕事のグチをこぼしたり、恋バナに花を咲かせたり、老若男女が一体となる不思議なグルーヴ感。


大皿料理や、ちょっとしたアテを初対面のお客さん同士でシェアするなんてことも珍しくない。
もちろん、1人でしっぽり飲みたい人や、カップルのイチャイチャデート時間を邪魔するような雰囲気でもないので、安心して欲しい。











