俺には夢がある。人生で一度でいいから「大将」と呼ばれてみたい。
もうひとつ夢がある。毎日寿司でも食って、酒を飲んだくれていたい。
そのふたつの夢を同時に叶える方法を、ある日唐突に、スーパーの鮮魚売り場で思いついた。
嘘だ。本当はSNSで炎上している高級寿司屋の動画を観ていた時に思いついたのだ。
自分で寿司を握ってみよう。それなら金もかからないし、食い放題だ。
バカな食い方しても、炎上することもない。

早速刺身をいくつか買って帰り、調理開始。
こいつはイワシ。美味しい季節だね〜。
手巻き寿司パーティはよくやるけど、どうして今まで握り寿司に挑戦しなかったんだろう。
よくよく考えたら手巻き寿司より、材料も少なくて済むじゃないか。
俺は本当に天才なんじゃないだろうか。
そんなご機嫌なテンションで選んだBGMは、大瀧詠一。
うちの大将は江戸っ子で粋なので、この店ではシティポップが聴けるんでえ。てやんでえ。

タイ。ねっとりとしててうまそう。
特にめでたいことはないが、まあ俺は毎日がパーティなので。

トップバリュで買ってあった「うなぎ蒲焼」もネタに。
もうすぐ土用だね。丑の日のうなぎ食べるって人も多いのでは?
ちなみに今年の夏の土用は、7月19日(13:17)〜8月7日(09:09)
※2024年の情報です。
え?なんでそんなことに詳しいかって?
俺は都市伝説やUMAだけじゃなく、スピリチュアルや占いも好きなのだ。
土の神様のエネルギーが強くなるので、この期間はできるだけ土を触るのを避けた方がいいと、スピ界隈では言われている。

話は脱線したが、蒲焼も縦長にカット。

他には鮮魚売り場で値引シールが貼られていたカット済みのマグロ、つぶ貝を用意。

同時進行で仕込んでいた、酢飯。
炊いたご飯に酢とみりんを入れる。
量は味見しながらお好みで。俺は結構酸っぱいのが好き。
「すしのこ」とか、すし酢も便利だけど、うちではそんなに頻繁に使うんもんでもないので。

まぜまっぜ〜。
鼻歌をハミングしながら、三合も炊いてしまった。
完全に冷ましてもいいし、ちょっとぬるい酢飯も俺は好きだな。
こちらもお好みで。

よっしゃ。握っていくぜ。
アレクサ、大瀧詠一『カナリヤ諸島にて』を流して。
カナリヤ諸島に寿司屋ってあるのかなー、ていうかカナリヤ諸島ってどこ?

握りは初めてだけど俺には『美味しんぼ』と『将太の寿司』と『江戸前の旬』で得た知識がある。
なんとかなるやろ。

なんとかなった。
というか、まあ一応形にはなった。
楽しいパーティなんだから、『美味しんぼ』の海原雄山みたいにうるさいことは言わないでほしい。
ていうか、なんだったらもっと崩れてくれたほうが、記事のネタ的には美味しかった気がするぐらいの出来栄えだ。
とにかく、カナリヤ諸島でごちゃごちゃいうな。ここはカナリヤ諸島だぞ。
そして俺は大将だ。ここでは俺がルールだ。楽しく食え。

マグロ、タイ。
シャリ少なめであえて小さめに握ったのは、ちびちび食べて、お酒のアテにするため。
チェーンの回転寿司で最初にシャリ少を提案した人は、絶対酒飲みだと思う。

イワシ。
もうちょっと薄切りでも良かったかもしれないが上出来だ。
足の速い青魚なので、あまり温かいシャリに載せないほうがいいかもしれない。

つぶ貝、うなぎ。
レトルトのうなぎは温めず、冷たいままで。
温めても美味しいと思う。柔らかくなりそうだ。

さすがにシャリとネタの間にわさびを塗る技術はなかったので、別添えにした。
別の記事でもご紹介した、田丸屋の「本わさび瑞葵」

大瀧詠一は薄く切ったオレンジをアイスティーに浮かべているが、我々は久保田の千壽で。
市販の茶碗蒸しと、鮎の塩焼きも作ったけど情報過多なのでこれはまた別の記事で紹介するね。

俺はまず喉しめしでBUD。
カナリヤ諸島(どこかは知らない)の寿司処「遼&やますぎ」では、シティポップが流れるし、乾杯のビールはバドワイザーである。
ハンサムなことで評判な大将の俺は、アロハシャツにハイウェストジーンズでお出迎えだ。
COOLすぎる。

寿司は手で食うもんだぜ。
なぜなら、手についた酢飯と生魚の匂いで、更に酒がうまくなるからである。
イワシ、うめーーーー。

タイ。
シャリではなく、こうしてネタ側に醤油をつけるんだって『美味しんぼ』だったか『将太の寿司』だったか『江戸前の旬』だったかに書いてあったような気がする。
『きららの仕事』だったかもしれない。

マグロ。
スーパーの鮮魚売り場で買ったんだけど、結構脂が乗ってていい感じだ。

うなぎ。ネタに米粒ついとるがな。
醤油ではなく、付属の蒲焼のタレ・山椒でいただく。
こればっかりは、ちょっと大きめで贅沢にしたいね。

お刺身についてきた菊の花も、俺たちは食うぞ。
醤油に散らすとエモい感じになる。
カナリヤ諸島(どこにあるか知らんけど)感出るな。

つぶ貝。
コリコリ甘くて美味しい〜寿司ネタで1番好きかもしれない。
菊の花びらもよく似合う。

ちょっとギルティな食べ方ができるのも、うちの寿司屋のいいところ。
うなぎバター寿司に味変。
これはぜひ一度やっていただいて。赤ワインが欲しくなるよ。
魚には絶対白ワイン、なんて野暮なことはもちろん言わない。

寿司に使わなかった切れ端も、おつまみにどうぞ。
酢飯も余ってるし、漬けにして明日の朝ご飯は海鮮漬け丼かな。

アサリのおすましで、〆。
いや、めっちゃ食ったな。
すごい満足度だ。しかもカウンター寿司どころか、回転寿司よりも安く上がった。
もちろんプロの職人の握る寿司に味は遠く及ばないが、飯の基本は「楽しく」である。
ワイワイみんなで騒いで握って、好きな酒、好きなBGMで、好きなネタを好きなだけ食べる。
そんな自分だけの夢の寿司屋を、おうち握り寿司パーティではプロデュースできる。
ここではみんなが大将だ。楽しすぎる。

もちろん、当店は犬猫同伴OKである。
うちの編集長はアレルギーでお肉が食べられないが、マグロやタラやカツオが大好物だ。











