「スリザリン!」
俺の頭上で、組み分け帽子はそう高らかに宣言した。
だろうな、と思った。
テレビゲームの話である。
映画『ハリーポッター』の世界を、自分の分身(アバター)を操作して冒険できる『ホグワーツレガシー』
とても面白いのでおすすめだ。ハマりすぎた俺は1週間、マグルの世界に戻って来られなくなった。
目つきが悪いので昔から「ホグワーツならスリザリン顔だよね」とよく言われる。

そんなスリザリン顔の俺が今回ご紹介するビールが「BLACKBERRY MAPLE COBBLER(ブラックベリーメープルコブラー)」である。
友人からの貰い物だ。
「面白いよ」と言って持たせてくれた。面白い…?
グラスに注ぐとなかなか毒々しい色。
飲んでみると「スリザリン!」と思わず声が出た。
甘い、とても甘い。それでいて薬品ぽさもある。
脳がバグるような、初めての味覚・嗅覚情報だった。

バニラ、ミルクシュガー、グラハムクラッカー、メープルシロップ、ブラックベリーピューレ。
ブラックベリーコブラーとは、アメリカの焼き菓子のことなんだとか。
ネットで見てみたら、なんというか、ハリーポッターに出てきそうな悪魔的ビジュアルのお菓子だった。
ホグワーツの女子生徒たちが、好きな男の子たちのために作る惚れ薬って、こんな味なんじゃないだろうか、と思った。
甘くて、毒々しくて、無邪気で、強烈。
そして恐ろしく独善的。
思春期の強烈な愛着そのものを魔女の大釜で煮込んだような味がする、愛の妙薬みたいなビールだ。











